主に小説をターゲットに軽量マークアップ言語であるMarkdownで本文を作成するときのポイントを説明します。
テキストファイルの拡張子が .md
のときに、Markdownとして読み込みます。
Markdownについて
Markdownの書式(マークアップ)には複数の方言が存在します。LeMEではGitHubのコメントなどで利用できる書式を基本として解釈します(GitHubの説明)。
書式一覧
Markdownの書式
ここでは基本的な書式を紹介します。詳細はMarkdown: SyntaxやGitHub:基本的な書き方とフォーマットの構文を参照してください。
書式で使用する記号はすべて半角のみです。テキスト用の書式とは異なります。
見出し
行頭に「# (シャープとスペース)」を追加すると見出しとして認識して変換します。基本的な構文は以下の通りです。
#は6つまで指定できます。
- # 大見出し
- ## 中見出し
- ### 小見出し
#の数で見出しのレベルを指定できます。最大で6個まで設定できます。7個連続すると無視されて、そのまま本文に出力されてしまいます。
例
# 百人一首 ## 成り立ち ## 歌人
見出しに設定すると目次に使用されます(目次の設定の例はこちら)。また、見出しの文字列を使用してリンクの設定が可能です。リンク先に指定する場合は、ファイル内で重複しない見出しの文字列の設定をお勧めします。
太字
「*(アスタリスク)」もしくは「_(アンダースコア)」を使用します。基本的な構文は以下の通りです。
- **文字**
- __文字__
アンダースコアの場合は前後に半角スペース(行頭・行末)が必要です。
例
**秋**の田の かりほの庵の とまをあらみ わが __衣手__ は 露にぬれつつ
斜体
「*(アスタリスク)」もしくは「_(アンダースコア)」を使用します。基本的な構文は以下の通りです。
- *斜体*
- _斜体_
アンダースコアの場合は前後に半角スペース(行頭・行末)が必要です。
例
*春すぎて* 夏きにけらし 白妙の _衣干すてふ_ 天のかぐ山
太字かつ斜体
「*(アスタリスク)」と「_(アンダースコア)」を組み合わせて使用します。基本的な構文は以下の通りです。
- **太字で _斜体_ **
- __斜体で *太字* __
太字の中の斜体、斜体の中の太字の設定です。どっちがどちらでも良いですが、記号は互い違いに使用します。アンダースコアの場合は前後に半角スペース(行頭・行末)が必要です。
例
**花の _色_ は** 移りにけりな いたづらに __わが*身世*にふる__ ながめせしまに
取り消し線
「~(チルダ)」を使用します。基本的な構文は以下の通りです。
- ~~文字列~~
例
是れやこの 行くも~~帰る~~かへるも 別れては 知るもしらぬも 逢坂の關
引用
行頭に「> (不等号とスペース)」を追加すると見出しとして認識して変換します。基本的な構文は以下の通りです。
- > 文章
例
> 君がため はるの野に出でて 若菜つむ > わが衣手に 雪はふりつつ
コード
「`(バッククォート)」を使用します。構文は特定の文字列をコードとして指定する方法と段落全体をコードとして指定する方法があります。
`文字`
```
文字列
```
例
千早振る `神代`もきかず 竜田川 から紅に 水くくるとは ``` 千早振る 神代もきかず 竜田川 から紅に 水くくるとは ```
リンク
「[](角括弧)」「()(丸括弧)」を使用します。基本的な構文は以下の通りです。
- [文字列](URL)
例
外部へのリンク [百人一首](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E4%BA%BA%E4%B8%80%E9%A6%96) 同じファイル内の見出しへのリンク [成り立ち](#成り立ち) 別ファイルの見出しへのリンク [歌人](hyakunin_isshu.md#歌人)
見出し設定している場合に限り、アンカーを使用したリンク設定が可能です。見出しの文字列が重複している場合は意図しない結果になる可能性があります。
ファイル名やアンカーの文字列に漢字などを使用してもかまいませんが、スペースは%20
を使用してください。
なお、作成したepubファイルでハイパーリンクを有効にするには「外部ハイパーリンクを変換する」設定をONにする必要があります。ストアによって外部へのリンクについてポリシーが違うため標準ではOFFになっています。
画像
「[](角括弧)」「()(丸括弧)」を使用します。基本的な構文は以下の通りです。
- ![代替えテキスト](ファイルパス)
- ![](ファイルパス)
例
![挿絵01](./images/sasie01.png)
箇条書き
行頭に「*(アスタリスク)」または「-(ハイフン)」を使用します。番号付けをする場合は数字と「.(ピリオド)」を使用します。基本的な構文は以下の通りです。
- – 文字列
– 文字列 - * 文字列
* 文字列 - 1. 文字列
2. 文字列
箇条書きはレベルを設定できます。例のように上のレベル1文字目に合わせるように行頭にスペースを入れます。
例
- 天智天皇 - 秋の田の かりほの庵の とまをあらみ わが衣手は 露にぬれつつ - 持統天皇 - 春すぎて 夏きにけらし 白妙の 衣干すてふ 天あまのかぐ山 - 柿本人麻呂 - 足曳の 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を獨り かも寝む * 天智天皇 * 持統天皇 * 柿本人麻呂 1. 天智天皇 2. 持統天皇 3. 柿本人麻呂
表
「|(縦線)」を使用して文字列を区切ることで表を作成します。「:(コロン)」と「-(ハイフン)」を組み合わせてセル内での左寄せ・中央寄せ・右寄せを指定します。
例
|決まり字|詠み人|上の句| |:--|:--:|--:| |む|寂蓮法師|村雨の 露もまだひぬ まきの葉に| |す|藤原敏行|住の江の 岸に寄る波 よるさへや| |め|紫式部|巡りあひて 見しや夫とも わかぬまに| |ふ|文屋康秀|吹くからに 秋の草木の しをるれば| |さ|良暹法師|淋しさに 宿を立ち出でて ながむれば| |ほ|後徳大寺左大臣|ほととぎす なきつる方を ながむれば| |せ|崇徳院|瀬をはやみ 岩にせかるる 瀧川の|
寄せ位置を決定する記号(:--
・:--:
・--:
)のハイフンは2つです。方言によってはひとつでも反応しますが、LeMEは反応しませんので注意してください。
LeME独自の書式
見出しレベル1の前で改ページ
原稿が1ファイルでも、#ひとつの見出しレベル1の直前で改ページをします。
本の詳細設定で実施するかのOn/Offを設定できます。標準はOnです。
段落内の改行
通常のMarkdownでは、改行がひとつだけのときは変換後の見た目的に改行になりません。ですが、LeMEでは改行(<br/>)に変換します。
本の詳細設定で実施するかのOn/Offを設定できます。標準はOnです。
注意点としては、あくまでも段落内の改行であることで、LeMEのテキスト形式と大きく異なる点です。
例
同じ原稿に対しての変換結果は以下の通りです。
巡りあひて 見しや夫とも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな
Markdownの場合
<p>巡りあひて 見しや夫とも わかぬまに<br/> 雲がくれにし 夜半の月かな</p>
テキスト形式の場合
<p>巡りあひて 見しや夫とも わかぬまにる</p> <p>雲がくれにし 夜半の月かな</p>
ルビ
大きく2種類の方法があります。「|(縦線)」と「《》(二重山括弧)」もしくは「()(丸括弧」を使用する方法と、「{}(中括弧)」と「|(縦線)」を使用する方法です。
- |文字列《もじれつ》
- |文字列(もじれつ)
- {文字列|もじれつ}
- {文字列|も|じ|れつ}
「{}(中括弧)」を用いる方法は「|(縦線)」を追加することでモノルビ風にできます。親文字の文字数と区切りの数が一致していないとグループルビになります。
例
|夜《よ》をこめて 鳥の|空音(そらね)は はかるとも 世に{逢坂|あふ|さか}の {關|せき}はゆるさじ
傍点
「+(プラス)」もしくは 「《《》》(二重山括弧)」 を使用します。プラス記号は半角のみ認識します。基本的な構文は以下の通りです。プラスの数で黒丸とゴマを選択できます。また、二重山括弧では黒丸になります。
- 黒丸
- +文字+
- 《《文字》》
- ゴマ
- ++文字++
例
+玉の緒+よ たえなばたえね 《《永らへば》》 ++忍ぶる++事の よわりもぞする
縦中横
「^(ハット)」を使用します。基本的な構文は以下の通りです。
- ^文字^
一度に設定する文字数は半角2文字までが無難です。リーダーアプリによっては良い感じに表示してくれますが、あまり良い結果にならないかもしれません
例
小倉百人一首は^13^世紀前半に成立したと言われています。
独自書式のOn/Off
電子書籍ファイルを指定するタブで右ふちのボタンを押すとLeME独自の書式を解釈するかのOn/Offを変更できます。